2016年のBASE BLOGからの転載です。当時は一つ1000円で販売していましたが、採算度外視の商品商品でした。BASEではまとめて買って下さったお客様がいて、その後写真も商品の補充も辞めてしまった幻の商品です。しょっと思い出したので明日でも作ってみようかね。
屋久杉は何百年も前に伐られたものです。割りやすい木を板状にして、島から運ばれやがて屋根の材料となりました。割りにくい部分や、割っても反ったりねじれるような部分はそのままに山中に放置されました。それが当時の屋久杉の使われ方。そして捨てられ方です。それが長い年月の中で表面は雨、風で風化し土に帰っていきます。形が残っているものは、大雨で土砂が崩れたり、斜面を移動したりもして土をかぶり、半分土に埋もれたりもします。これが土埋木(どまいぼく)の所以となり、これらを屋久杉工芸品として使います。表面の数センチは劣化しますが、樹脂分が多く緻密な年輪と木の繊維は水の浸入さえ許さないのでしょう。
それ以上の深部では、未だに杉のにおいがぷんぷん漂います。匂いだけでなく、樹脂分に触れるとベタベタとします。杉は大別すると針葉樹の仲間。マツヤニのようなスギヤニが年輪の間に豊富に蓄積されています。
木を切ったり削ったりするためにノコギリや斧、ナタを使います。
できるだけ捨てる部分が少なくなるように木取りしますが、道具は直線運動で使うので、
節約しても端材や木っ端というものが必ず発生します。屋久杉はとても貴重ですから、小さくてもできるだけ使いたい。すると小さい商品が出来ていきます。樹之香の商品はこんなことからできてきました。
しかし課題はここにあります。小さい細かいものはかなり手間がかかります。ある程度の大きさのものは扱いやすく、道具も使いやすいです。小さいもの、細かいもので精巧さを求められるものが、一番手がかかります。
綺麗で大きな商品を拡大してみると細かい傷があります。しかし大きな商品の小さな傷は目立ちませんが小さな商品の小さな傷は目立ちます。この傷を目立たなくするのが大変なんです。磨くという作業は形を整えることより、紙やすりや布で大きな傷を目立たない小さな傷に変えていくという作業です。小さいものに想像以上の大きな労働が発生します。
すなわちコストパフォーマンスがとても悪いのです。商品になるかならないかギリギリの大きさの端材なのに、かといって労賃を上乗せすると、小さいものが高価になり、見かけと価格のバランスが取れません。ここは本当に貴重な部分なんです。こんな部分で作った屋久杉の器やなどは大きさにもよりますが何十万円~数百万円は当たり前なんです。不思議な光りかたが、宝石のようです。光明と言われる部分です。こんな貴重な部分だけを使って作った小さなZIP-TAGその名もhippaley(ヒッパレイ) なんとも今にも歌いだしそうな商品名だこと・・・。
価格と労働は度外視の商品です。ちなみに写真の商品の側面にはyakushimaの焼印を入れました。(見えにくいですが・・・)こういう部分で先日作ったヘアゴムは素晴らしくカッコよくきれいでした。これもいずれ商品をアップします。こういう部分でこういう商品が欲しいという場合はメールでも下さいませ。