私の店では電動工具で厚みや幅、長さをそろえることが多い。求める精度はせいぜいミリ単位で十分なので、大工さんのようにシュルシュルと音を立てて出てくる極薄のカンナ屑は出すことがない。その代りにそぼろ状?削り節状のカンナ屑や鋸屑が大量に出てくる。
この木屑の中でもカンナ屑や旋盤、特に刃物を使った時の木屑からは素晴らしい芳香が漂ってくる。その一方で鋸屑やヤスリで生じた、微粉状の木屑は木の繊維を破壊してしまうので芳香ははじめ強いけれど持続しない。
特にカンナ屑、旋盤で出た木屑で樹脂が詰まった部分を削った時のニオイは格別で、少し目が痛くなるようなスーッとした感じで、ヒノキほど刺激は強くなく、他の木にはない香りは本当にいいものである。癒されると人は表現するが、屋久杉の香りを分析した先生によると癒し効果はもちろんあるが、覚醒する成分が多いのだそうだ。
乾燥した白木の木屑は、おひつとか木べらに似たニオイではあるが、それでも一般的な杉のものとは全く異なるニオイがする。また保存状態や乾燥具合、小片にしてからの年月などにもよって違う。また同じ木でも場所によってまた違うものである。
カンナ屑や旋盤屑を集めてニオイ袋にしたりや枕に詰めたりもしていたけれど、やはりそれを欲しがる人がいて連絡が来たり各地のイベントで懇願されたりしてつながりもできた。
そこでこれを線香の原料にして私も作ってみた。作り方は世界各地のyoutube先生がいらっしゃるので参考にさせてもらったが、再生回数を稼ぎたくて、にわかハンドメイド作家youtuber先生もどかどか出てくるので、いい先生はなかなか見つからない。いくつか本気の人のサイトを見たり、自分で体験できる店を探して訪問してみたりもして作り方のイロハはわかってきた。なにより自分がやってみることの方が重要だという事がわかったので、今はいろいろ試してみている。やがてこの技を得とくして店にくるお客さんに、体験させてあげるのもいいかなと考えてもいる。出来栄えはまずまずだが、より形や、色、香りを吟味していくことになるのだろプが、これがなかなか奥が深く商品になるのはいつのことやら。
鋸屑のような微粉は線香の原料に適している・・・・・・間隙が狭いので酸素が行き渡らず燃えにくい。なのでゆっくり燃え尽きる。一方カンナ屑はいい香りだが、線香の原料にするには大きすぎて原料にならない・・・・・・しかし隙間が大きく空気と結びつきやすいので燃えやすい。ああ今ごろ中学校の理科の授業を思い出すとは・・・・菊池先生元気かな?もういい年だろうなあ。
そこでこのカンナ屑とノコ屑を燃やすためだけに販売することにしました。
燃やして香を求める人に「屋久杉削り節」
線香を作る趣味の人のために「屋久杉そぼろ」という美味しそうな名前を付けました。
ポプリだなんだかんだと売ってる業者もいるけれど、私は燃やすために売ってしまうことにしました。この煙、煤煙がすごい香なのです。もったいぶって癒しの屋久杉香とか屋久杉ポプリだなんだと箪笥の隅っこに保管してる品物じゃない。これは煙の臭いをかいで癒されて、または覚醒するものだと思いました。いや燃やして気づきました。これはそこら辺の木を燃やした香りじゃない。燃やしてなんぼの、屋久杉の香りとしての価値がある。
これを香炭(お焼香の時の火種に使われる)を100均で買って火をつけて一つまみ乗せてみてください。私の言うことがよおおおくわかりますから。毎日焚きたくなること間違いなしです。または熱に強い皿に一つまみを載せてライターなどで火を点けてみてください。そして炎を吹き消したあと、なんとも言えない香が立ち込めるんです。樹脂が多いので燃やしすぎに注意してくださいね。香炭は宗教っぽい感じがしますが、香道では当たり前のもので、意外に愛好者が多いと知りました。
眠る前に焚けば安眠熟睡、絶対いい夢見られます。
日曜の朝、目ざめに焚けば朝から快調、さわやかな一日間違いなし。
あなたも是非どうぞって最後はテレビショッピングみたいになってしまいました。